相続税専門税理士の富山です。
今回は、『Yahoo!ファイナンス』の記事を見て思ったことについて、お話します。
クレームの方が勉強になる
参考 【相続税申告を依頼した税理士に全く手を付けてもらえず困り果てています】Yahoo!ファイナンスたまたまこちらの記事を見つけたのですが、読んでいて自分も胸が痛くなりました。
この相談者の方の気持ちになりきって考えると本当に夜も眠れなくなりそうだというのもありますが、それ以上に、自分もこんな風にお客様に辛い思いをさせることがないようにしなくてはならない、と痛感しました。
不安は膨らむと不満になる
お客様は、税理士に対して気を使ってくださっている部分があり、心配なことがあったとしても、それを口に出して言ってくださるとは限りません。
しかし、そのお客様の不安が心の中で増幅して、その税理士に対する不満になってしまうと、大きなクレームの要因にもなりかねません。
やはり常に、「何かご不明な点等があったらお気軽にご連絡ください」というような言葉を、メールや電話などのやり取りの最後に付け加える「癖付け」は必要だな、と思いました。
お客様がどう感じているかが重要
もちろん、この税理士のような対応で仕事をやることはありませんが、お客様が心配になるレベルというのは、そのお客様によってマチマチです。
こちらが「早く」やっているつもりでも、お客様にとっては「遅い」と感じる場合もあるでしょう。
一番いいのはどんどん業務を早く終わらせることですが、調べたり検討したりしないといけないことが必ず出てきます。
それをおろそかにすると、お客様の税負担が高くなったり、または、税務調査や修正申告等のリスクを発生させることになり、お客様にご迷惑をおかけすることにもなりかねません。
(言い訳で申し訳ありませんが)時間がかかるのはやむを得ない面もあります。
お客様に安心していただくには?
お客様にお会いしてお話をしたり、または、書類を郵送したりという、目に見える具体的な行為があれば、お客様に業務が進捗しているということを感じてもらえるかもしれませんが、そういった面会や書類のやり取りなどがない期間が続くと、お客様も「業務が進んでいるのだろうか?」と心配になられると思います。
面会や書類などによる具体的なやり取りができない状況でも、現在の進捗状況をお客様にメールなどでお知らせするということが重要なのではないか、と改めて感じました。
万が一、それが全く中身のない進捗報告のメールだったとしても、全く何の連絡がないよりも、メールが来ただけで、お客様は安心されるかもしれません。
結果的に仕事が早くなるかも
また自分自身、お客様に進捗メールをお送りすることにより、自然とそのお客様の仕事を進めなければならなくなります(進めなければならないことを自覚します)。
それによって、忙しい状況下でも、自然と仕事の効率化を考えるようになるでしょうし、早期に業務の深度を深めることで、検討すべき点が早めに発見できるというメリットもあるかもしれません。
ふと思い出した教え
税理士にとってお客様は何人いても、お客様にとっての税理士は一人しかいない。
税理士は、それぞれのお客様に対して、何人かいるお客様のうちの一人というような捉え方をせず、それぞれのお客様を一人しかいないお客様と思って対応しなければいけない。
というようなことを、以前勤務していた税理士法人で教わったのを思い出しました。
この教えを改めてかみしめ、業務を見直します。
想う相続税理士