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これだけは知っておいてほしい相続税のイロハのイ5選


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相続税はどうやって納付する?


想う相続税理士

「相続税の納付方法」についてのお話です。

相続税は
いつまでに
納付すれば
いい?

相続税は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、お亡くなりになった方の住所地を所轄する税務署に、申告書を提出し、納税をする必要があります。

相続税は
どうやって
申告する?

相続税の申告書は、連記式になっているため、相続人など申告書を提出する方が2人以上いる場合には、一緒に申告書を作成して提出することになります。

遺産分けでモメていたりして、共同で申告書を提出することができない場合には、それぞれの相続人が個別に申告書を提出することになります。

相続税は
どこで
納める?

相続税は、税務署でも納められますし、金融機関でも納められます。

税理士に申告を依頼すれば、その税理士が手書きの納付書を用意してくれます。

また、コンビニ納付やクレジットカード納付もできるようになっています。

参考 コンビニ納付(バーコード)国税庁 参考 コンビニ納付(QRコード)国税庁 参考 クレジットカード納付の手続国税庁

コンビニ納付は、税務署に納付書の発行を依頼したり、ご自宅でQRコードを作成する手間がかかりますが、手数料はかかりません

クレジットカード納付は、決済手数料がかかりますが、インターネット上で決済が完了するため、税務署や金融機関、コンビニに足を運ぶ時間がない方にとっては大変便利です。

相続税の
納税は
ラク?

法人税や所得税は、所得(利益・儲け)に対して課税されるため、その儲けの結果としての現金が手元にあれば、そこからラクに払えるはずです。

しかし、現金があったけど、借入金の返済に充ててしまったり、その儲けの元となった売上については、まだ取引先からお金をもらっていない(売掛になっている)、なんていう場合には、儲けが出ていても、税金の支払原資がない、なんてことも起こり得ます。

相続税の
場合も同じ

それでは、相続税の場合はどうでしょうか?

財産を相続したから、相続税が課税されるんですから、その財産の中から相続税を払えばいい訳ですよね?

でも、法人税や所得税と同じように、税金の支払原資がない場合があるのです。

現預金を相続していない場合です。

つまり、土地や建物、同族会社の株式等なんかしか相続していない場合です。

土地や建物は、まず買ってくれる相手を探さなければなりません。

その相手もすぐに見つかるか分かりません。

同族会社の株式は、もっと悲惨です。

売る訳にはいかないのですから。

売るということは、その会社を手放すことになってしまいます。

売るにしても、買ってくれる人は、土地や建物に比べ、更に少なくなります。

相続を
見越して
納税資金を
用意
しておく

相続が予想される場合、相続税の支払原資が不足しないように、前もって準備をしておきましょう。

まずは、相続税の試算をして、どれくらいの相続税がかかるのかを把握する必要があります。

その上で、その相続税に見合う現預金が確保できるか、検討しましょう。

相続税は、相続財産の中から払わなくても大丈夫です。

相続人となる方が元々お持ちだった現預金から払ってもいいですし、金融機関で借入をすることができるのであれば、それを検討してもいいでしょう。

借入については、担保や保証料のこともお忘れなく。

同族会社の株式がある場合には、その株式を相続する予定の相続人の方が、その会社の役員(現社長か、次期社長候補としての専務など)になっているケースがほとんどだと思います。

そのような場合、役員報酬を増額して、相続税の納税資金を前もって貯金しておくのも1つの手です。

役員報酬を増額することで、会社の現預金が減り、また、費用が増加することから、儲けが減るため、株価の下落につながります。

つまり、相続税の節税効果もある、ということです。

延納や
物納を
検討する

いろいろな手を考えても、納税資金が用意できそうになければ、延納や物納を検討しましょう。

延納は結構ツラい?

延納は、年1回の支払いなので、結構まとまった金額になります。

また、利子税(利息的なもの)もかかるので、精神的な負担が思ったよりも大きいのか、途中でお金を工面して、全額納付される方もいらっしゃいます。

物納はお得

物納は、承認されると、結構メリットがあります。

相続財産を売却して、納税資金を確保しようとすると、その売却益に対して譲渡所得税が課税されます。

しかし、物納は「物で納めている」ので、売却ではありません。

したがって、譲渡所得税はかかりません

ただし、多めに物納した場合(「超過物納」と言います)には、その多めの部分は現金をもらうことになるので、売ったのと同じですから、譲渡所得税がかかります。

さらに有利なのが、相続税評価額で財産を受け取ってもらえることです。

相続税1,000万円を納められない、そして、相続財産の中に、相続税評価額1,000万円の土地がある、とします。

物納が認められれば、この土地を物納して終わりです。

物納が認められず、この土地を売却した場合、この土地の時価が600万円だったとすると、600万円でしか売れません。

そこから、譲渡所得税や売買に係る費用を差し引くと、450万円ぐらいになるでしょうか?(この場合の譲渡所得税には、通常よりも税金を安く計算できる「相続税の一部が経費になる」特例があります)

残りの550万円は、他から工面してこなければなりません。

このように、物納するのと、相続財産を売却して現金納付するのとでは、大きな違いがあります。

相続税はいくらかかる?


想う相続税理士

「相続税はいくらかかるのか?」というご質問・疑問について考えてみたいと思います。

まず
かかるか
かから
ないか

まず、相続税が「かかるかかからないか」を判断することが大事です。

相続税がかからなければ、相続税は「ゼロ」ということになります。

この「相続税がかかるかどうか」を考える際には、「相続税の非課税枠」を押さえる必要があります。

相続税の非課税枠は、「遺産に係る基礎控除額」と言います。

これは、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます。

例えば、法定相続人が3人であれば、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
となります。

この場合、財産の金額が4,800万円以下であれば、相続税はかからないということになります。

特例を
受けて
相続税を
ゼロにする

財産の金額が相続税の非課税枠を超えていた場合であっても、配偶者の税額軽減などの特例を受けることにより、相続税をゼロにすることができる場合があります。

相続税の
計算構造

相続税は、財産を取得した人ごとに計算するものではありません。

相続税は次の順番で計算します。

(1) 各相続人毎に次の金額(「課税価格」と言います)を計算する(千円未満切捨)

課税価格=「プラスの財産」「マイナスの財産」「相続時精算課税制度による贈与財産」「お亡くなりになった方からの相続開始前3年以内に贈与財産」

(2) 各相続人の(1)の金額を合計する

(3) (2)の金額から「遺産に係る基礎控除額」を控除する

ここで、0またはマイナスになったら、相続税はかかりません。

(4) (3)の金額を法定相続分で按分する

(5)その按分した各金額に、下の表の「税率」を掛けた金額から、下の表の「控除額」をマイナスする

按分した各金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

相続税は超過累進税率ですので、財産の金額が大きくなればなるほど、上記のように相続税も増加していきます。

(6) (5)の金額を合計する

(7) (6)の金額を課税価格の割合で各相続人に按分する

(8) 各相続人毎の事情(配偶者だったり、未成年者だったり、生前に贈与を受けて贈与税を払っていたり等)に応じて、(7)から一定の控除額をマイナスする

ここで、0またはマイナスになったら、相続税はかかりません。

そうやって計算した金額が、それぞれの各相続人の相続税額となります。

自宅の
評価額を
大体で
いいので
把握する

相続財産の中で、ある程度大きな金額になるのが自宅でしょう。

自宅の、相続税を計算する上での財産としての金額(正確には「相続税評価額」と言います)が、どれくらいになるかを把握しておきましょう。

自宅の敷地・建物の評価の仕方について、概要をお話します。

大雑把なお話です。

実際にはもっと細かく評価しますからね。

市区町村から4月か5月頃送られてくる、「固定資産税の課税明細書」がお手元にあれば、それをご覧ください。

自宅の
敷地の
相続税
評価額

土地については、「路線価方式」または「倍率方式」により計算します。

ご自宅が、このどちらの方式で評価する場所なのかどうかは、次の国税庁のサイトを見れば分かります。

参考 路線価図・評価倍率表国税庁ホームページ

自宅のある都道府県をクリックしたら、「1. 土地関係」「評価倍率表」「一般の土地等用」をクリックしてください。

その中の、自宅のある市区町村をクリックしてください。

「倍率表」が出てきます。

こちらからご自宅のある場所を検索してみてください。

「町(丁目)又は大字名」から自宅の町名等を探し出し、その右の「固定資産税評価額に乗ずる倍率等」という欄をご覧ください。

自宅の敷地は「宅地」になっていると思われますので、「宅地」のところをご覧ください。

「路線」と書いてあれば、「路線価方式」で評価するエリアです。

「1.1」などの倍率が書いてあれば、「倍率方式」で評価するエリアです。

路線価方式

「路線価方式」の場合には、倍率表の左に、「この市区町村の路線価図を見る」というところがあるので、ここをクリックして、該当する「地名(町又は大字)」または「索引図」から、ご自宅の敷地が面している道路を探しましょう。

その道路に書かれている数字が路線価です。

千円単位ですから、例えば「30」と書かれていれば、30×1,000円=30,000円です。

「←30→」となっていれば、その矢印の範囲が、路線価30,000円ということになります。

路線価は、1㎡当たりの金額です。

固定資産税の課税明細書を見てみて、例えば自宅敷地の面積が200㎡であれば、30,000円×200㎡=6,000,000円ということになります。

倍率方式

先ほど、「『1.1』などの倍率が書いてあれば、『倍率方式』で評価するエリア」と言いましたが、その倍率を、固定資産税の課税明細書の自宅敷地のところに書いてある固定資産税評価額に掛けることにより、敷地の相続税評価額を計算することができます。

固定資産税評価額が5,000,000円で、倍率が1.1なら、5,000,000円×1.1=5,500,000円ということになります。

自宅の
建物の
相続税
評価額

自宅の建物については、その固定資産税の課税明細書に書かれている固定資産税評価額が、そのまま相続税評価額ということになります。

お葬式の費用は相続税に関係ありますか?


ANSWER
関係あります。土地や預金などのプラスの財産から債務や葬式費用をマイナスし、純財産額を計算するため、葬式費用があると、その分相続税が安くなります。

債務控除

プラスの財産から債務や葬式費用をマイナスすることを、「債務控除」と言います。

借入金や未払となっている税金などが債務に該当します。

葬「式」費用

葬式費用の主なものは、お寺さんにお渡しするお布施(戒名料など)と、葬儀会社に支払う葬儀費用です。

戒名料の領収書

通常、戒名料等の領収書はもらえません。

税務署もそれを分かっているので、なくても大丈夫です。

お寺さんの名前や住所、金額などをメモで残してください。

ただし、金額が大きい場合には、もらえる場合もあります。

葬「儀」費用

香典返戻費用(香典のお返し代)は葬式費用の対象外ですので、債務控除してはいけません。

その代わり、もらった香典はプラスの財産に計上する必要はありません。

いまさら人に聞けない相続税申告Q&A〔相続税・基礎控除額〕

相続税って
何?

想う相続税理士

人が亡くなったことにより、「相続人」「遺言による財産受取人」に移転した、亡くなった人の財産に課税する税金のことです。

亡くなる前にあげればセーフ?

亡くなったことによりもらう財産に相続税がかかるのであれば、亡くなる前にあげることにより相続税がかからなくて済むのではないか、と思われるかもしれません。

想う相続税理士

確かに相続税はかからなくなりますが、贈与税がかかります

また、あげるのではなく、売った場合には、所得税がかかります

この所得税は、相続税や贈与税のように、財産を受け取った人が払うのではなくて、売った人が払う税金です。

売った金額に税金がかかるのではなく、売ったことによる儲け(所得)に税金がかかります。

買った人は、税金(所得税)を払わなくていいのですが、それは売った人にちゃんと「代金」は払うことが大前提となります。

親子間で売ったことにして、代金を払わない、なんてことをすると、実質は贈与ですから、贈与税がかかることになります。

相続が
あったら
みんな
相続税を
払わなく
ちゃ
いけない
の?

想う相続税理士

財産の金額が大きい場合に、相続税を納める必要があります。

逆に言うと、財産の金額が少ない場合には、相続税を納める必要はありません。

相続税の非課税枠である「遺産に係る基礎控除額」

「財産の金額が大きい」とはどういう場合かと言うと、亡くなった方の財産の金額の合計額が「遺産に係る基礎控除額」を超えている場合です。

想う相続税理士

この場合には、相続税を納める必要があります。

この遺産に係る基礎控除額以下(「以下」だからイコールの場合も含まれます)に財産の金額が収まれば相続税がかからないので、遺産にかかる基礎控除額は、「相続税の非課税枠」と言い換えることができます。

「遺産に係る基礎控除額」は、家によって違う!

想う相続税理士

遺産に係る基礎控除額は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
で計算します。

ですから、法定相続人が1人の場合には、3,000万円+600万円×1人=3,600万円、2人なら4,200万円、3人=4,800万円、4人=5,400万円、5人=6,000万円(600万円ずつ増えていきます)となります。

「1人600万円まで非課税」ではない!

「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という計算式を見て、間違いやすいのが、1人600万円までなら相続税がかからない、と考えてしまう勘違いです。

想う相続税理士

例えば、相続人が妻・長男・次男の3人の場合で、財産の金額の合計額が5,000万円だとします。

そして、妻が4,000万円、長男と次男がそれぞれ500万円ずつ相続した場合、500万円≦600万円だから、長男と次男に相続税がかからないかというと、そうではないということです。

あくまでも財産の金額の合計額5,000万円>4,800万円なので、長男と次男には相続税がかかります。

いまさら人に聞けない相続税申告Q&A〔非課税財産〕

どんな
財産にも
相続税は
かかるの?

想う相続税理士

主なものとして、次のような財産には、相続税がかかりません。

お墓や仏壇、神棚など

まず、墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝尊崇(そんすう)の対象となっているモノには、相続税がかかりません。

想う相続税理士

もし、こういうモノにも相続税を課税しますよって言われたら、ちょっとどうかと思いますよね。

民法上も、次のように一般の財産とちゃんと区別されています。

第三章 相続の効力
第一節 総則
(相続の一般的効力)
第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
(祭祀に関する権利の承継)
第八百九十七条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

列挙するとこんな感じです。

墓地・墓所・霊びょう・御霊屋(おたまや、みたまや)・墓石・庭内神し(ていないしんし・一般に、屋敷内にある神の社や祠等といったご神体を祀り日常礼拝の用に供しているものをいい、ご神体とは不動尊、地蔵尊、道祖神、庚申塔、稲荷等で特定の者又は地域住民等の信仰の対象とされているもの)・神棚・神体・神具・仏壇・仏具・位牌・仏像・仏具・古墳

想う相続税理士

ただし、骨とう的価値があるなど投資の対象となるものや商品として所有しているものは相続税がかかりますのでご注意を。

国や地方公共団体、一定の公益社団法人等に贈与した財産

相続した財産を国などに寄附した場合には、その財産にかかる相続税は免除されます。

想う相続税理士

相続税の実効税率が10%だとすると、1,000万円の財産に対して、100万円の相続税がかかりますよね。

その100万円が国に行く訳ですが、残りの900万円まで国に行くようにしてくれる(贈与してくれる)んだったら、国だって、「相続税は結構です」ってなりますよね。

公益社団法人等に対する贈与もそうです。

国に代わって公益の発展のために支援(贈与)してくれるんだったら、「相続税はいりません」ということになります。

生命保険金(限度額あり!)

想う相続税理士

生命保険は、残された家族(相続人)の生活を安定させるために入るという意味合いがありますよね。

だから、全部に相続税をかけるのはカワイソウということで、次の非課税枠の金額までなら相続税がかかりません。

500万円×法定相続人の数

1人で3人分の非課税枠を使ってもいいの?
生命保険金の受取人が1人でも、法定相続人全員の人数分の非課税枠が使えます。

想う相続税理士

相続人が3人(妻・長男・次男)なら非課税枠は500万円×3人=1,500万円となります。

生命保険金を受け取ったのが、妻1人だけで1,200万円だったとしても、500万円だけ非課税で残り700万円が課税、という訳ではなく、全額が非課税になります。

死亡退職金(限度額あり!)

想う相続税理士

これも生命保険金と同じ趣旨で非課税の規定があります。

非課税枠は同じ
500万円×法定相続人の数
です。