【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

相続税の申告前に所得税の申告期限が到来する場合の取得費加算の特例

相続税専門税理士の富山です。

今回は、所得税の確定申告における取得費加算の特例について、お話します。


相続税専門税理士に任せてスッキリ!
相続税専門税理士が直接対応
事前予約で土日祝日夜間対応可能
明確な料金体系+スピード対応
大手生命保険会社様で相続税・贈与税に関するセミナー講師の実績有(最近の実績:令和5年11月・令和5年12月・令和6年2月)

または はこちらから


相続税の一部が所得税の確定申告において経費になる

国税庁HP・タックスアンサー(一部抜粋)
No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
相続または遺贈により取得した土地、建物、株式などの財産を、一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができます。

1,000万円の土地を相続し、相続税が100万円かかったとします。

その相続した土地を1,500万円で売却した場合、所得(儲け)が発生すると所得税の確定申告をする必要がありますが、一定の要件を満たせば、その所得の計算の際、相続税の申告の際に納付した100万円を経費(取得費)として引くことができます(「取得費加算の特例」と言います)。

所得税の確定申告をする時に相続税の申告が終わっていなかったら?

上記の例は、
相続で土地を取得する→相続税の申告をする→土地を売却する→所得税の申告をする
という流れが前提になっています。

では、相続税の申告をする前に所得税の確定申告期限が到来したため、
相続で土地を取得する→土地を売却する→所得税の申告をする→相続税の申告をする
という流れだった場合、相続税を経費にすることはできないのでしょうか?

租税特別措置法(一部抜粋加工)
第39条 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例
4 次の各号に掲げる者が第1項に規定する課税価格の計算の基礎に算入された資産の譲渡について同項の規定を適用することにより、当該譲渡をした者の当該譲渡の日の属する年分の所得税につき所得税法第153条の2第1項各号に掲げる場合に該当することとなる場合には、その者は、それぞれ次の各号に定める日まで、税務署長に対し、更正の請求をすることができる
一 当該資産の譲渡をした日の属する年分の確定申告期限の翌日から相続税申告期限までの間に相続税申告書の提出をした者 当該相続税の期限内申告書の提出をした日の翌日から2月を経過する日

このような場合には、上記にあるとおり、いったん取得費加算の特例を適用せずに所得税の確定申告をします。

その後、相続税の期限内申告をして相続税の金額が確定したら、その「相続税の期限内申告書の提出をした日の翌日から2月を経過する日」までに「更正の請求」をすれば、取得費加算の特例を適用することができます(適用した分だけ安くなる所得税を還付してもらえます)。

想う相続税理士

相続税の納税資金に充てるため、または、不動産を早期に現金化したい等の理由により、相続後すぐに不動産や株式等を売却した場合には、ご注意を。