測量しなくても土地の登記簿上の面積が間違っていることがバレる
「建ぺい率」・「容積率」というモノがあり、
建ぺい率=建物の建築面積/その建物の敷地面積
容積率=建物の延床面積/その建物の敷地面積
で計算される。
建物を建てる場合、そのエリアによって、建ぺい率や容積率の上限が定められている。
容積率が100%のエリアに建物を建てる場合、その建物の延床面積は、その敷地面積以下でなければならない。
500㎡の土地であれば、各階の面積を合計した延床面積は500㎡以下でなければならない。
もし、容積率が100%のエリアにおいて登記簿上の面積が500㎡の土地の上に、延床面積が800㎡の建物が建っているとしたら、その建物が違反建築物の可能性もあるが、相続税の申告をする上で持つべき疑問としては、その土地の面積は500㎡ではなく、実際には800㎡以上あるのではないか、ということである。
仮にその土地の面積が800㎡だったとしたら、800㎡の土地として相続税の申告をしなければならない(登記簿上の面積が500㎡だとしても)。
「登記簿上の面積=正しい面積」ではない
とはいえ、相続税の申告の際、すべての土地について測量することは困難なことが多い。
土地を測量せずに申告したら、必ず税務署に申告書を突き返される、というワケではない。
ただし、登記簿上の面積よりも実際の面積の方が広く(この状態のことを「縄延び」と言う)、その差が大きい場合には、課税上弊害があるため、相続税の申告において登記簿上の面積で申告をしていると、税務署が縄延びを把握した際、申告面積が過小であると指摘される可能性がある。
実際に測量しなくても面積をチェック・推計する方法がある
上記の例のように、土地の面積と建物の面積の比率から、縄延びが疑われる場合には、測量をする前に、まず、その書類等をチェックする。
また、建物が建っている土地でも、建っていない土地でも、縄延びが疑われる場合には、間口距離を実測してみる(面積ではなく道路と接している部分の「距離」を測る。これなら簡単)。
その上で、その土地の公図や地積測量図等を取得し、その図面上の間口部分にその実測した間口距離を当てはめ、面積を求めることで、実際の面積を推計することができる(これは昔、とある相続税専門税理士から教わった方法)。