相続税専門税理士の富山です。
今回は、マイホームを購入した場合の税金の申告について、お話します。
自己資金がなければ借りるしかない?
住宅ローン控除は、所得税の確定申告で手続きをすることにより適用を受けることができる制度です。
住宅ローンによって発生する金利の負担を軽減する趣旨によるものです。
年末の住宅ローンの残高(マイホームの購入金額等の方が少ない場合には、その金額)を元に(×0.7%などして)計算します。
住宅ローン控除の適用により、金利負担は軽減できても、借入した金額(元金)自体はなくなりません。
(通常は)長い年月をかけて返済をしていくことになりますから、家計の資金繰りを悪化させることもあります。
親からお金をもらっても税金がかからない?
住宅ローンを組むのもいいけど返済するのが大変だ、でも、だからといって自己資金はない、という場合、父母や祖父母からそのお金をもらう、という手もあります。
「もらうのはいいけど、何か税金がかかっちゃうんじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、一定の要件を満たせば、非課税でもらうことができます。
それが、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」という特例です。
この特例について知っていれば、住宅ローンの借入額を減らすことができ、資金繰りに余裕を持たせることができます。
親からお金をもらうのは「所得税」ではなく「贈与税」の課税対象
住宅ローン控除、住宅取得等資金の非課税、どちらも申告しなければ適用を受けることができません。
同じ家を建てるための税金の優遇策です。
住宅取得等資金の方も、「お金をもらう」という点で言えば、何となく収入っぽい感じがします。
「お金をもらっても税金がかからない」となると、「税金が返ってくる」住宅ローン控除の仲間に見えてきます。
「住宅ローン控除」「住宅取得等資金の非課税」どちらも、所得税の確定申告で適用を受けることができそうな感じがします。
しかし、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の『贈与税』の非課税」とお伝えしたように、住宅取得等資金の非課税は「贈与税」の非課税制度です。
「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けるためには、住宅ローン控除の適用を受ける(ための)所得税の確定申告とは別に、贈与税の確定申告をしなければなりません。
ザックリ言うと、働いたり、投資した見返り(対価)としてお金(収入)を受け取る(所得税の課税対象になる)か、何もしないでお金(財産)を受け取る(贈与税の課税対象になる)かの差に留意する必要があります。
前者は所得税の課税対象、後者は贈与税の課税対象となります。
想う相続税理士秘書
想う相続税理士
「家を建てた」+「お金をもらった」がセットになれば必ず非課税になるワケではありません。