【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

相続税の申告をしなければならないのはどんな方?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、どんな方が相続税の申告をしなければならないのか、ということについて、お話します。


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相続の課税割合は9.3%

相続が発生したら、必ず相続税の申告をしなければならない、というワケではありません。

国税庁が令和4年12月に発表した「令和3年分相続税の申告事績の概要」によれば、課税割合(=相続税の申告書の提出に係る亡くなった方の人数/亡くなった方の人数)は9.3%ですので、10人亡くなったら、そのうちの1人弱の方について、相続税の申告が行われている、ということになります。

相続税の申告をしなければならないのは誰?

それでは、どのような場合に相続税の申告をしなければならないのでしょうか?

相続税法(一部抜粋)
第27条相続税の申告書
相続又は遺贈により財産を取得した者及び当該被相続人に係る相続時精算課税適用者は、当該被相続人からこれらの事由により財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格の合計額がその遺産に係る基礎控除額を超える場合において、その者に係る相続税の課税価格に係る第15条から第19条まで、第19条の3から第20条の2まで及び第21条の14から第21条の18までの規定による相続税額があるときは、その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から10月以内に課税価格、相続税額その他財務省令で定める事項を記載した申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。

「財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格の合計額がその遺産に係る基礎控除額を超える場合」とあります。

この「遺産に係る基礎控除額」は、「相続税の非課税枠」と呼ばれ、
3,000万円+600万円×法定相続人の数
で計算されるのですが、まず、財産の金額がこの金額を超えなければ、相続税の申告は不要です。

相続で財産を取得した方が複数いらっしゃる場合、その取得した方について個々に相続税が出るかどうか判断するワケではなく、「財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格の合計額」(つまり全体の財産の金額)が相続税の非課税枠を超えるかどうかで判断します。

想う相続税理士秘書

「相続又は遺贈により財産を取得した者及び当該被相続人に係る相続時精算課税適用者は」とあります。

つまり、相続人であっても、相続で財産を取得しなければ、相続税の申告をする必要はありません(相続時精算課税適用者を除く)。

財産を取得しなくても遺産分割協議書に押印する必要はある

遺言がない場合、相続人間で遺産分割協議(遺産分けの話し合い)を行い、その合意した内容を「遺産分割協議書」という書類にまとめます。

「財産は要らない」という相続人の方でも、この遺産分割協議書には押印をする必要があります(通常は、署名及び実印の押印をします)。

「財産は要らない」ということで納得している(合意している)ことを明らかにしておく必要があるのです。

想う相続税理士

(遺言がない前提でのお話ですが)相続人全員の押印がある遺産分割協議書がないと、遺産は「未分割」ということになり、遺産分け(財産の名義変更等)の手続きができませんし、相続税の申告においても配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などの適用が受けられず、相続税が高めに計算されてしまう可能性があります。