相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続税の申告をしなければならない場合、どのように進めていけばいいか、ということについて、ザックリとお話します。
必要な書類を用意する
相続税の申告書の様式は決まっていて、国税庁HPから誰でも取得することができます。
その第1表から始まる申告書に、亡くなった方や財産を取得される方のお名前、財産の種類や金額等を書き込んでいきます。
そのためには、
財産を評価するための書類(固定資産の評価証明書や残高証明書等)
まず、どのようなモノに相続税がかかるのか(どのようなモノが相続税の申告に関係するのか)を確認しましょう。
相続税の申告に関係あるかどうか、初見では分からない場合もあります。
とりあえず関係のありそうなものは集めましょう。
「遺産に係る基礎控除額(相続税の非課税枠)」は、法定相続人の数で決まりますので、法定相続人が何人いるかが分からないと、相続税が計算できません。
そのためにも、戸籍のチェックは必要です。
また、
家庭裁判所で相続放棄の手続きをしたことが分かる書類(相続放棄申述受理証明書等)
税額控除に関係する書類(亡くなった方が過去10年以内に相続税を納付している場合のその相続税の申告書や障害者手帳・療育手帳等)
遺産分けによって、相続税は変わります。
また、相続放棄をしているかどうかによっても、相続税が変わります。
所得税の住宅ローン控除のように、取得した財産等の金額に応じて計算された相続税の金額からマイナスできる「税額控除」の根拠となる書類も用意しましょう。
財産を確定し、財産を評価する
相続税の課税対象になるかどうかを判断しつつ、課税対象となるものについては、その金額(相続税評価額)を計算していきます。
後からどんどん調べなければならないことが出てきたりしますので、土地の評価には早目に着手しましょう。
また、相続税の申告において、プラスの財産から控除することができる「債務」や「葬式費用」についても、どこまでが控除の対象になるかを確認して、控除する金額を確定させましょう。
遺産分けを決め、相続税の金額を確定させる
先ほどお話したとおり、遺産分けによって相続税が変わるため、財産の金額等が固まってから、こうやって分けたらいくらになる、というシミュレーションをして、いくら相続税を払うか納得した上で遺産分けを決め、それに従って相続税も決まる(計算する)という流れが良いでしょう。
相続税のことを考えずに土地をたくさん相続して、相続税が払えない、なんて事態にならないように、ご注意を。
「遺産分けによって相続税が変わる」というのは、財産を多く相続すれば、その分、相続税が増える、という意味だけではありません。
その財産を誰が取得するかによって、相続税が安くなる特例の適否が変わる場合があるのです。
想う相続税理士