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相続時精算課税制度を選択したのにうっかり申告しなかったらどうなる?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、無申告の場合の相続時精算課税贈与について、お話します。

最初の年の贈与は、気を付けているので、忘れずに申告されると思います。

しかし、一定額以下の贈与は贈与税が非課税となるため、知らず知らずのうちに「税金が出ないから申告しなくてもいい」という感覚に陥り、2年目以降の贈与の際に申告し忘れるリスクがあります。


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相続時精算課税制度とは?

相続時精算課税制度とは、原則として18歳以上の子または孫などが、60歳以上の父母または祖父母などから財産の贈与を受けた場合において選択できる贈与税制度です。

相続時精算課税制度の適用財産については、その選択をした年以後、相続時精算課税に係る贈与者からの贈与財産について、複数年にわたり利用できる限度額2,500万円の特別控除額があります。

特別控除額の適用は期限内申告が要件

相続税法(一部抜粋加工)
第21条の12 相続時精算課税に係る贈与税の特別控除
2 前項の規定は、期限内申告書に同項の規定により控除を受ける金額、既に同項の規定の適用を受けて控除した金額がある場合の控除した金額その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する。

相続税法基本通達(一部抜粋)
21の12-1 特別控除を適用する場合の申告要件
法第21条の12第1項の規定は、贈与税の期限内申告書の提出がない限り、適用がないのであるから留意する。
(注) 贈与税の期限内申告書の提出がなかった場合におけるゆうじょ規定は設けられていない

申告をしないと(無申告だと)、2,500万円の特別控除額(非課税枠)が適用できません。

期限後に申告してもダメなのです。

その場合には、特別控除額を適用せずに贈与することになります。

また、この場合には無申告加算税等も課税されます。

期限内申告をしていれば後から特別控除額の適用額を増やせる場合がある

相続税法(一部抜粋加工)
第21条の12 相続時精算課税に係る贈与税の特別控除
3 税務署長は、第1項の財産について前項の記載がない期限内申告書の提出があつた場合において、その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、その記載をした書類の提出があつた場合に限り、第1項の規定を適用することができる

評価額1,000万円の贈与財産に1,000万円の特別控除額を適用して期限内申告をしていたとします。

しかし、実はその贈与財産の評価額が、正しくは1,500万円だった、とします。

この場合、修正申告書を提出し、かつ、税務署長がやむを得ない事情があると認める場合には、1,500万円の評価額に対して1,500万円の特別控除額を適用することができます。

修正申告で飛び出ることになった500万円(評価額1,500万円△期限内申告の特別控除額1,000万円)に対して絶対に課税されるというワケではない、ということです。

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