相続税専門税理士の富山です。
今回は、土地の一部を分割して物納した場合の評価について、お話します。
広過ぎる土地は切って物納する
国税庁HP(一部抜粋)
物納申請に当たっては、物納申請税額よりも物納に充てる財産の価額が超過することのないように財産を選定していただくことが原則です。
したがって、分割することが可能な財産、例えば、一筆の更地を物納申請するに当たって、その更地の評価額が物納申請額を超過するような場合には、物納申請額に見合う価額になるように更地を分筆していただく必要があります。
物納しようとする土地の評価額が、物納により納めようとする相続税の金額を大きく上回る場合、その相続税の金額の分だけ物納できるよう、土地を切る(分筆する)必要があります。
土地を切ったら評価が変わり、相続税が変わる?
土地の評価額は、その土地の形状により変わります。
間口が小さくなると、間口狭小補正率の適用により、評価額が下がります。
土地を分筆して物納することにより、残った土地(残地)の間口が小さくなったら、その土地の評価額が下がり、相続税も安くなるので、更正の請求により、相続税を還付してもらえるのでしょうか?
土地の形が悪ければ、不整形地補正率の適用により、評価額が下がります。
逆に土地の形が良いと(良くなると)、不整形地補正率は適用できなくなります。
土地を分筆して物納することにより、残った土地(残地)がキレイな長方形になったら、その土地の評価額が上がり、相続税も高くなるので、修正申告により、相続税を追加で納めなければならないのでしょうか?
評価時点と評価単位の考え方の違いに注意!
財産評価基本通達(一部抜粋加工)
1 評価の原則
財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期(相続、遺贈若しくは贈与により財産を取得した日若しくは相続税法の規定により相続、遺贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日又は地価税法第2条《定義》第4号に規定する課税時期をいう。以下同じ。)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による。
「相続時の財産の現況に応じ」て評価するため、物納するために土地を後から切っても、評価額には影響を与えません。
ただし、1つの土地を2人の相続人が切って相続する場合には、それぞれ切った後の土地の形状で評価します。
想う相続税理士
測量をすることにより、ほとんどの場合、面積が変わり、相続税の計算にも影響を及ぼしますので、ご注意を。