相続税専門税理士の富山です。
今回は、過去に相続時精算課税制度により一定の株式の贈与を受けている場合の相続税申告の特例について、お話します。
特定受贈同族会社株式等に係る特定事業用資産の特例の概要
個人の方が、平成21年3月31日以前に相続時精算課税に係る贈与(贈与税の申告の際に一定の届出をしたものに限る)によって取得した特定受贈同族会社株式等で、
この特例の適用を受けるものとして選択したものについて、
平成21年改正前の租税特別措置法第69条の5に規定する要件を満たす場合には、
相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、10%を減額する(減額される金額は1億円を限度)
特定受贈同族会社株式等に係る特定事業用資産の特例の注意点
亡くなった方から相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与により財産を取得したいずれかの人が、
その亡くなった方から相続時精算課税に係る贈与により取得した一定の株式又は出資について、
平成21年改正前の租税特別措置法第70条の3の3第1項又は第70条の3の4第1項の規定の適用を受けた場合には、
この特例の適用を受けることはできない
非上場株式等についての相続税の納税猶予及び免除の適用を受けた人方は、
納税猶予の特例の適用を受ける非上場株式等に係る会社と同一の会社の株式又は出資について、
この特例の適用を受けることはできない
想う相続税理士秘書
特定受贈同族会社株式等の定義
旧租税特別措置法(一部抜粋)
第69条の5 特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例
八 特定受贈同族会社株式等 被相続人である特定贈与者が贈与をした次に掲げる要件のすべてを満たす特定受贈株式又は特定受贈出資のうち、当該特定受贈株式又は特定受贈出資に係る法人の当該贈与の時における発行済株式の総数又は出資の総額の3分の2に達するまでの部分として政令で定めるものをいう。
イ 当該贈与の直前及び当該贈与の時に、被相続人である特定贈与者及び当該特定贈与者の親族その他当該特定贈与者と政令で定める特別の関係がある者が有していた株式(当該贈与に係る特定受贈株式に係る法人の株式に限る。)の総数又は出資(当該贈与に係る特定受贈出資に係る法人の出資に限る。)の総額が当該株式又は出資に係る法人の発行済株式の総数又は出資の総額の2分の1を超えること。
ロ 次に掲げる金額の合計額が20億円未満であること。
(1) 当該贈与に係る特定受贈株式(当該贈与に係る特定贈与者に係る特定受贈株式を含む。)又は特定保有株式に係るすべての法人について、当該法人の発行済株式の総数に相当する金額として財務省令で定める金額の合計額
(2) 当該贈与に係る特定受贈出資(当該贈与に係る特定贈与者に係る特定受贈出資を含む。)又は特定保有出資に係るすべての法人について、当該法人の出資の総額として財務省令で定める金額の合計額
想う相続税理士