相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続税専門税理士以外の税理士に相続税の申告を依頼するとしたら、どんな税理士がいいか、ということについて、お話します。
相続税専門税理士なら大丈夫
相続があって、相続税の申告をしなければならない、自分ではできないので、税理士に依頼したい、という場合、相続税専門税理士に依頼すれば大丈夫です。
なぜなら、相続税の申告を専門にやっているからです。
内科の医師に「手術してください」と言っても断られるかもしれませんが、外科の医師に言えば、相談に乗ってもらえるでしょう。
では、相続税の申告の場合には、相続税専門税理士以外には依頼できないのでしょうか?
いつも相続税「以外」」のことをやっている
これは本当に税理士側の都合の話でしかないのですが、税理士にとって、相続税の申告というのは突然やってきます。
突然やってきてもお金になるんだから、それは税理士にとってありがたいことなのでしょうか?
一般的な税理士事務所が中心業務として行なっている会社の決算、そして法人税の申告は、決算期の変更でもない限り、毎年同じ日が決算日であり、同じ日が申告書の提出期限となります。
また、毎月の月次訪問も、各お客様のお好みや都合によって、お伺いするのは月末とか、中旬頃というように、大体決まっているケースが多いです。
それに合わせて、お客様の方でも毎月、その訪問日までに請求書や領収書などの書類を用意できるようにしておいたり、または経理ソフトの入力を進めておいたりするワケです。
それが毎年続いていきます。
ですから、税理士事務所は、その顧問先の会社の決算・法人税の申告・月次訪問の仕事に合わせて人員の配置等を含む計画を立て、事務所運営をしています。
相続税の申告は予定に入っていない
そこに相続税の申告の依頼がきたらどうなるでしょうか?
その税理士事務所の顧問先のお客様は、いつもやってもらっている会社の決算や法人税の申告、役員の所得税の確定申告と同じように、相続税の申告もすぐにやってもらえるだろう、と思って依頼されるでしょう。
しかし、上記のような通常ワークに加えて相続税の申告をするということになると、結構辛かったりします。
職員の方も通常ワークで忙しいからです。
相続税の申告が来るかもしれないからといって、余裕を持った働き方になっている、なんてことは通常はあり得ません(来なかったら職員さんが暇になってしまいます)。
余裕があればできる?
また、相続税の申告は頻繁に依頼されるものではないので、税理士事務所の職員さんでも、相続税ついて詳しくなかったり、経験がないという方もいらっしゃるでしょう。
そこで、税理士事務所が相続税の申告の依頼を受けた場合には、トップの所長税理士が相続税の申告をするというケースもあります。
ただし、「相続税の申告は頻繁に依頼されるものではない」ということは、その所長税理士にとっても、あまり経験が積めない仕事ということになりますので、そういう意味では職員さんと同じです。
「大規模」または「所長が相続税に積極的」な税理士事務所
ということで、突然の相続の依頼にも対応できるようにするということになると、ある程度、相続税の申告についての社員教育もきちんとでき、また人員にゆとりがあり、事務所の中に相続税の申告を専門に担当する方を配置していたりしないと、現実的には難しい、ということになります。
つまり、ある程度規模の大きな税理士事務所か、所長税理士が相続税の申告に積極的に取り組んでいる(休みを返上して土日にやってしまうような)税理士事務所でないと、急な相続税の申告に対応するのは大変なのです。
想う相続税理士