【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

法定相続人と相続財産の取得者は全く別人のこともある!

想う相続税理士

相続税専門税理士による「相続準備の基本」の記事に軽くツッコミ!


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法定相続人とは誰のこと?

「法定相続人」は、ザックリ言うと「民法の規定により財産を相続できる人」という意味です。

配偶者は必ず法定相続人に該当し、配偶者以外の方は、

①子供等の直系卑属→いなければ→②両親等の直系尊属→いなければ→③兄弟姉妹等

の順で法定相続人になります。

法定相続人なら必ず財産がもらえる?

相続財産は法定相続人が取得する、とは決まっていません。

ご事情があり、離れた関係の親族が全財産を遺言でもらう場合もあります。

遺言があれば、遺言が優先されるからです。

遺言により財産を(あまり)もらえない法定相続人は、「遺留分」という相続人に認められた最低限の財産の取り分を請求することができますが、上記③の兄弟姉妹等には遺留分が認められていません。

ですから、法定相続人が兄弟のみという方が、遺言により、全財産を離れた関係の親族1人に渡す、という場合、兄弟姉妹は財産を相続できません。

このような場合、相続税の計算において「遺産に係る基礎控除額」(相続税の非課税枠)を算出する場合、遺言により財産をもらう方の人数は関係ありません。

兄弟姉妹の人数で決まります。

遺産に係る基礎控除額は、
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
で計算されます。

財産を取得する方が1人だとしても、法定相続人である兄弟が4人いれば、
3,000万円+(600万円×4人)=5,400万円
の非課税枠を適用することができます。

1人で相続するのに非課税枠は4人分で計算!

想う相続税理士秘書

取引金融機関の数が多いと大変

相続があり、相続税の申告をしなければならない場合、相続税の計算をするためには、まず正確な財産の金額を把握する必要がありますから、金融機関で残高証明書を取得します。

過去の預貯金の通帳がない場合、取引履歴を発行してもらうこともあります。

ここまででも、金融機関の数が多いと大変です。

金融機関によって、手続きのために記入する書類も違えば、持参しなければならない書類も違いますし、不備が有ったりすると、もう一度行かなければならないからです。

遺産分けが決まれば、今度は解約・払戻し等の手続きをしなければなりません。

こちらは、書類を発行してもらう場合よりも、もっと厳格な手続きになります。

そして、金融機関は通常、午後3時までしかやっていません。

平日の限られた時間の中で、何度も足を運ばなければならなくなります。

金融機関の数が多いと、想像以上に大変ですので、取引や残高が少ない等、あまり利用していない金融機関の口座は、どんどん減らしていきましょう。

想う相続税理士

相続開始時点に口座や残高がない金融機関でも、過去に取引がある場合には、税務署はその取引内容をチェックしますので、事前に問題がないか、確認しておきましょう。