【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

サラリーマンが副業でやっても小規模宅地等の特例は適用可?

ホームズ!サラリーマンが相続で事業用宅地等を取得しても、事業をやってる暇なんてないんだから、小規模宅地等の特例は適用できなさそうだね。
ワトスン君、「事業継続要件」を満たせない、という意味かい?「事業を営む」というのは、その宅地等を相続した方が全部の仕事をやらなきゃいけない、という訳ではないのだよ。

相続税専門税理士の富山です。

今回は、サラリーマンが事業用宅地等を相続した場合の、小規模宅地等の特例の適用について、お話します。


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生活していくための土地は評価額を値引きできる

相続税の申告のおいて、相続人等の生活基盤となっている一定の居住用または事業用の宅地等については、通常の宅地等と同じように相続税を課税するのは酷(カワイソウ)だ、もし仮に相続税が払えなくて、その土地を売らざるを得なくなったら、どこに住めばいいのか、どこで働けばいいのか、ということになってしまうため、評価額を値引きする「小規模宅地等の特例」という制度があります。

この小規模宅地等の特例の適用パターンの中に、特定事業用宅地等というモノがあります。

亡くなった方が事業の用に供していた宅地等などがこれに該当します。

要件を満たせば、400㎡まで8割引きで評価することができます。

特定事業用宅地等には「事業継続要件」がある

特定事業用宅地等に該当するためには、

  1. 亡くなった方の事業を引き継いだ親族がその宅地等を取得すること
  2. 申告期限までその宅地等を継続してい所有していること
  3. 申告期限までその事業を継続して営んでいること
という要件を満たす必要があります(ケースにより要件が若干変わります)。

もし、その事業用宅地等を相続した方がサラリーマンの場合、「事業を継続して営む」と言っても、昼間はずっと勤務先の会社や工場等で働いたりしなければなりません。

社員を雇ったりして他の人にやってもらわざるを得なくなるような場合も考えられますが、このような形態(日中、まったく別の会社に勤務している場合等)でも、小規模宅地等の特例は適用できるのでしょうか?

事業に専念しなくても可

租税特別措置法関係通達(一部抜粋)
69の4-20 宅地等を取得した親族が事業主となっていない場合
(注) 事業を営んでいるかどうかは、会社等に勤務するなど他に職を有し、又は当該事業の他に主たる事業を有している場合であっても、その事業の事業主となっている限りこれに当たるのであるから留意する。

会社を辞めて専業で事業をする必要はなく、相続した方が事業主として事業を行っていれば、適用を受けることができます。

想う相続税理士

事業を引き継ぐのであれば、確定申告が必要になります。

青色申告特別控除の適用により税金が安くなるよう、所得税の青色申告承認申請書を提出するのもお忘れなく!