相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続時精算課税制度について、お話します。
2,500万円まで非課税の贈与
「相続時精算課税制度」というものがあります。
原則として60歳以上の父母または祖父母から、20歳(令和4年4月以降の贈与については18歳)以上の子または孫に対し、財産を贈与した場合に、2,500万円まで贈与税が非課税となる贈与制度です。
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この制度を選択する場合には、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に、相続時精算課税選択届出書など一定の書類を添付して、贈与税の申告書を提出する必要があります。
形式上の子になっていないとダメ
後で認知しようとしていたお子さんがいらっしゃって、そのお子さんに相続時精算課税制度を適用することを前提として、認知前に多額の贈与を行ったとします。
「俺の子供だから大丈夫。相続時精算課税制度の届出と申告は来年だから、今年中に認知をすれば、子供への贈与には相続時精算課税制度が適用できる」と思ったら大間違いです。
最初に、対象となるのは「20歳(令和4年4月以降の贈与については18歳)以上の子または孫」に対する贈与とお伝えしましたが、この「子または孫」は、厳密には「推定相続人」です。
「万が一のことがあった場合に相続人になる方」です。
認知をする前だと、万が一があったときに相続人にはなれませんから、その期間における贈与には、相続時精算課税制度は適用できません。
これは、養子の方も同じです。
自分の子供みたいに可愛がっている方がいらっしゃって、今年中に養子縁組すれば大丈夫と勘違いして、養子縁組前に贈与すると、その贈与には、相続時精算課税制度は適用できません。
成年年齢引き下げに注意
最初にお伝えした「20歳(令和4年4月以降の贈与については18歳)以上」というのは、その贈与があった年の1月1日で判定します。
ですから、今年令和4年1月~3月の贈与の場合には、令和4年1月1日の時点で20歳になっていないと、相続時精算課税制度は適用できない、ということです。
令和4年4月以降の贈与の場合には、相続時精算課税制度を適用するためには、令和4年1月1日の時点で18歳になっている必要がある、ということです。
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