【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

【税理士が解説】相続時精算課税分の贈与税の還付を受ける方法

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続時精算課税による贈与税の還付を受ける方法について、お話します。


相続税専門税理士に任せてスッキリ!
相続税専門税理士が直接対応
事前予約で土日祝日夜間対応可能
明確な料金体系+スピード対応
大手生命保険会社様で相続税・贈与税に関するセミナー講師の実績有(最近の実績:令和5年11月・令和5年12月・令和6年2月)

または はこちらから


相続税の当初申告で還付を受けることができる!

「相続時精算課税」という贈与に対する課税方法があります。

「相続時」に相続税を「課税」して「精算」することを条件に、贈与時は2,500万円まで贈与税を非課税とする制度です。

2,500万円を超えると、一律20%の贈与税が課税されます。

3,000万円の贈与を受けた場合には、(3,000万円△2,500万円)×20%=100万円の贈与税を納めることになります。

「相続時に精算の課税」をするので、100万円の贈与税を払って終わり、ではありません。

その3,000万円も、他の一般の相続財産と同様に、相続税の課税対象に含めて相続税を計算します。

そのままだと、贈与税と相続税がダブルで課税されることになってしまうので、その調整のため、計算された相続税から、納めた100万円の贈与税を差し引いて相続税を計算します。

例えば、相続税が300万円と計算された場合、300万円△100万円=200万円だけ、相続税を納めればいい、ということになります。

100万円の贈与税は相続税の前払いだった、という感じです。

相続税を300万円払って、100万円の贈与税を返してもらった(でも手続き上は、これから払う相続税と相殺してもらった)とも考えられます。

相続時精算課税贈与財産には、最終的には、相続税しか課税せず、贈与税は課税しないからです。

もし、相続税が60万円と計算されたら、60万円△100万円=△40万円となります。

前払いが多過ぎた、ということになるため、この40万円は相続税の申告の際に還付を受けることができます。

第1表には還付口座を記入する欄がない!

所得税の場合、確定申告書の第一表には「還付される税金の受取場所」という欄があり、還付申告になる場合、ここに還付して欲しい口座を記入すれば、その口座に還付金を振り込んでもらえます。

ところが、相続税の場合には、第1表に還付口座を記入する欄がありません。

では還付を受けたい場合、どうすればいいかというと、「第1表の付表2・還付される税額の受取場所」を提出します。

この付表には、還付口座等を記入する欄が設けられています。

還付の期限は亡くなってから5年以内!

この還付を受けるのには期限があります。

相続税法基本通達
27-8 還付を受けるための申告書の提出期限
法第27条第3項に規定する申告書は、相続開始の日の翌日から起算して5年を経過する日まで提出することができるのであるから留意する。

期限の起算日は、「相続の開始があったことを知った日の翌日」でも、「相続税の申告期限」でもなく、「相続開始日(死亡日)の翌日」です。

5年を経過すると、その請求権は事項により消滅します。

想う相続税理士

同じ贈与税でも、暦年課税贈与の場合には、相続開始前3年以内の贈与分のみ相続税の課税対象に含めて相続税を計算し、それに対応する贈与税を相続税から控除します。

この場合、控除しきれず(上記の40万円のように)マイナスになっても、その控除しきれない金額は還付されませんので、ご注意を。