相続税専門税理士の富山です。
今回は、同じ金額の財産を相続しても、税負担に大きな違いが出る理由について、お話します。
同じ財産を相続すれば、同じ相続税がかかる?
Aさん一家とBさん一家が隣同士で仲良く住んでいました。
それぞれの一家の主であるAさんとBさんが同時になくなり、遺族が相続税の申告をしなければならなくなりました。
Aさんの長男であるa郎さん、Bさんの長男であるb郎さんが、相続によりトヨタ自動車の株式を1万株だけ相続しました。
a郎さんの相続税は500万円、b郎さんの相続税は100万円でした。
そんなことあるのでしょうか?
同じ財産を相続しても、相続税には雲泥の差が出る
a郎さんの相続税と、b郎さんの相続税に5倍の差が出た理由は、Aさんの相続税を計算するときの税率が、Bさんの相続税を計算するときの税率よりも高かったからです。
なぜ高いかというと、Aさんの相続財産の方が金額が多かったり、Aさんの相続人の数が少なかったりして、Aさんの相続に適用される相続税の税率が高くなったからです。
なぜ、適用される相続税の税率に違いが出るのでしょうか?
財産が多いと税率がどんどん上がる!
詳しい計算については、こちらの記事を見ていただきたいのですが、
【税理士が解説】相続税の計算表の見方・使い方相続税の税率は一定ではありません。
ザックリ言うと、亡くなった方の正味財産(借入金等を控除した金額)から遺産に係る基礎控除額(相続税の非課税枠)を控除した金額を、法定相続人の法定相続分の割合で按分します。
この按分後の金額が大きければ大きいほど、高い税率で相続税が計算されます。
トヨタ自動車の株式の他にもAさんの相続財産がたくさんあれば、全体の財産の金額も大きくなり、この按分後の金額も大きくなるはずです。
結果として、適用される相続税の税率が高くなるのです。
ですから、同じ金額のトヨタ自動車の株式を相続しても、相続税には大きな差が出てしまうのです。
また、法定相続人の数が多いと、分けっこする人の数が多くなるワケですから、「按分後の金額」が少なくなります。
想う相続税理士秘書
つまり、法定相続人の数が多いと、適用される相続税の税率が下がります。
ですから、b郎さんの相続税が少なかったのは、Bさんの法定相続人が多かったからかもしれません。
館林市に出張訪問する相続税専門税理士から一言
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