1週間で相続税の申告書を作成できちゃう一般の方がいる!
ネットを見ていたら、一般の方が税理士に頼まずに相続税の申告書を作成している、という話が載っていました。
それも1週間ぐらいで申告書を作ってしまったとのこと!
働いている方なのかどうか分かりませんが、働いていらっしゃるとすると、仕事が終わってから寝るまでの間に、いろいろ調べながらやったんでしょうか?
ホントに尊敬しちゃいます。
税理士であれば、申告書作成ソフトがあるので、どんどん入力していけば計算はできますが、一般の方だったら手書きですよね?
以前、相続税の申告をしなくちゃいけないので、夜中の3時半まで毎日頑張って勉強して、財産の評価は分かるようになったんだけど、最終的な相続税の申告書の第1表への金額の持って行き方が分からない、なんていうご相談があったりしたんですけど、その方も特例や控除についてちゃんと理解されていてビックリしたのと同時に、確かに、個々の財産の評価とかは何とか分かっても、最終的に数字できちんと税金まで計算するってなると、難しいよな、と思ったんですよね。
そんな、普通だったら難しいハズの、やったことのない相続税の申告書の作成を、1週間ぐらいでできてしまう人がいるのか、スゴいなあ、と驚きました(お話の中に「借地権」とか「無道路地」なんて言葉が出てきてるのに!)。
相続税は帳簿のない世界
相続税の申告って、帳簿のない世界だなって、いつも思うんです。
帳簿がないから、間違っててもすぐに分からないんですよね。
例えば帳簿があれば、売上100万円なのに1,000万円って仕訳を切ったら、その分だけ現金も900万円増えちゃいますよね。
そうすると、現金の残高を見れば「ああ、こんなに現金があるわけない、仕訳ミスったな、あっ、売上の計上が間違ってるじゃないか」って気づくことができるんですが、相続税ってそういう確認ができないんですよね。
「財産の有無」や「特例の適用」や「判断ミス」に「気づくか気づかないか」みたいなところがあって、気づかなかったら、「なんかノーマルなパターンの申告で楽だったなあ。ハッハッハ!」なんて感じで申告しちゃう危険性があって、自分の見落としがないかを常に自問自答しながら申告書を作成する感じです。
想う相続税理士
相続税の大御所先生でも、以前セミナーで
「申告書は時間空けて3回はチェックします」
と仰ってましたので、凡人は推して知るべし、ですね。— 加藤博己@ワクワクさん税理士 (@katoh_tax) July 21, 2020
だから、全く知識がなくて、初めて相続税の申告書を作った人が、1週間でやってしまうなんて言うのを聞くと、ギョギョギョッ!と思ってしまうのです。
ネットの検索の仕方がお上手と見た!
もちろん、これが「財産は預金だけ」みたいな相続であれば簡単です。
財産の評価自体がほとんどないですからね(定期預金に利息を足すぐらいのもんです)。
でも「借地権」とか「無道路地」なんて出てきたら、その評価が正しいかどうかっていうのは、どういうふうに確認しているのかなぁ、とちょっと不安になります。
でも、頭のいい方だったら、ネットで調べた情報をもとに正解にたどり着いちゃったりするんでしょうか?
相続税の申告をご依頼いただくお客様には、ご自分でやってみたけど、これは無理だと思った、ということで、ご依頼をいただくケースが結構あります。
ご依頼いただかずご相談に乗っただけのケースでも、夜中の3時までやってます、とか、夜中の3時半まで(上で書いた方)とか、みんなそれぐらいの時間まで頑張っているんですよね。
それもネットだけで。
だから、ネットの情報がすごく充実しているんだと思います。
でも、そのネットの情報が本当に正しいのかどうか、自分の申告に当てはまるのかどうか、というところを判断するのって、結構難しいんじゃないのかな?と思うんですけどね。
夜中の3時過ぎまでネットで調べるということは、1つのサイトの情報を鵜呑みにしないで、いろんなサイトの情報を照らし合わせながら、正しい内容をつかむ、みたいなことをちゃんとやっているということなんでしょうね。
短期間で申告書を作成できちゃうってことは、本とかを読んで基礎的なことを学んだりとかしないでやっちゃうんですから、本当に必要なところについての情報だけを、うまくネットから拾い上げる能力に長けているんだと思います。
想う相続税理士秘書