相続税専門税理士の富山です。
以前、上記の記事で、空室になっている空家の取扱いについてお話しましたが、今回は、さらにちょっと突っ込んでお話したいと思います。
想う相続税理士秘書
財産評価基本通達
26 貸家建付地の評価
2 上記算式の「賃貸されている各独立部分」には、継続的に賃貸されていた各独立部分で、課税時期において、一時的に賃貸されていなかったと認められるものを含むこととして差し支えない。
「一時的に賃貸されていなかった」ということに該当するためには、亡くなる前に入居者が退居していたものの、その退居後も継続して賃貸の用に供されることが実質的に高い確率で想定される状況であることが必要
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実際に、その相続の後に次の入居者が速やかに決まったなど、結果として後から振り返ってみれば、本当にその亡くなった時にたまたま入居者がいなかったんだな、ということが分かるという状況
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もし次の入居者が実際に決まっていなかった場合には、その入居がなかったことの合理的な理由を説明できるようにしておく必要がある
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大家さんや間に入っている不動産屋さんが入居募集を一生懸命していたとしても、それをやっても人が入らないということは、入居の見込みがあったと本当に言えるのか、という話になる
上記の以前の記事でもお話したとおり、その建物に実際に人が住んでいれば、大家さんがその建物を自由に使えない、つまり、権利が失われている、もし、自由に使えるようにするためには、立退料などを支払わないと出て行ってもらえない、ということで、財産的な価値が下がる、だから安く評価できる、ということになっている
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亡くなった時点で、たまたまだろうがなんだろうが、人が住んでいないのであれば、自由に使えるので、その財産的な価値の減少はない
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だから、空室だったら原則的には安く評価できるハズがない
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一時的な空室でも安く評価するのを認めるというのは、非常に特例的な取扱いであるということを、改めて確認する必要がある
空室でも安く評価するためには、本当に一時的な空室であるということを明らかにする必要がある
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大家さんとして出来る限りのことをやっている、例えば、入居募集もきちんとやっている、そして、建物の管理や保守も抜かりなくやっている、ということであったとしても、だからといって、一生懸命やってるからといって、それが貸家の評価減や貸家建付地の評価減が認められる要因になるというワケではない
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あくまでも、「一時的」な空室なのかどうか、を明らかにできることが条件になる