【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

2本の道に面している土地は必ず高い方の路線価をベースに評価する?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、路線価方式で土地を評価する場合に、路線価の高い路線にはちょっとしか面していない土地をどう評価するかについて、お話します。


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高い路線価をベースに計算するのが基本

2つ以上の路線(道)に面している土地を路線価方式により評価する場合には、各路線価にそれぞれの奥行価格補正率(土地の奥行きが長い分だけ土地を安くするための率)を掛けて計算した金額が最も高くなる路線を正面路線(評価のベースとなる路線)にして評価します。

単純に高い方の路線価を採用するというワケではなく、奥行価格補正率を考慮した上で高くなる方の路線を正面路線にしますので、高い方の路線価の路線から奥行きを考えた場合に奥行きが長くなってしまう場合には、路線価自体は高くても、正面路線に採用されないこともあります。

奥行きが長すぎると、それだけ土地の使い勝手が悪くなるワケですから、正面路線にも採用されにくくなる、ということです。

ちょっとしか面していなくても正面路線になるの?

2つの路線に接していて、路線価が高い方の路線(大通り)には1メートルしか接していない、路線価が低い方の路線(横道)には10メートル以上接している、というような土地があって、大通りは路線価が異常に高く、横道はそれに比べると路線価がかなり低い、という場合、奥行価格補正率を考慮して比較しても、大通りの方が正面路線に採用されてしまう、ということが起き得ます。

でも、大通りに接しているとはいえ、1メートルしか接していないワケですから、実際には、その大通りの影響をあまり受けていない土地、と言うことができます。

また、1メートルしか接していないとなると、建築基準法上の接道義務を満たしません。

建築基準法では、建築物の敷地は幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならない、と定められています。

想う相続税理士秘書

このような場合には、その土地が影響を受ける度合いが高い路線(今回であれば横道)を正面路線として評価してもよい、ということになっています。

大通りが裏道扱いになる場合もある

冒頭の画像の図の場合、横道が正面路線となり、大通りが側方路線(横道から見た場合の横道的な取扱い)となるため、通常は、その側方路線(大通り)の路線価に「側方路線影響加算率」を掛けるのですが、その大通りと横道の接する角の土地が自分の土地になっていません。

この場合、横道から見ると、大通りは、ちょっと縁遠い感じがしますよね。

道的にお隣さんじゃない感じがして。

そこでこの場合には、大通りを横道の「裏側にある道」「向こう側の道」として取扱い、側方路線影響加算率ではなく、「二方路線影響加算率」を乗じることになります。

想う相続税理士

土地の形状などによっては、土地を「大通りに面している土地」「横道に面している土地」の2つに分けて評価することもありますので、ご注意を。