【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

従業員社宅は相続税対策になる?

相続税専門税理士の富山です。

今回は、従業員社宅の相続税評価額について、お話します。


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貸していれば安くなる

相続税の計算上、アパートの敷地は安く評価することができます。

具体的には、人に貸していない状態で相続税評価額1億円の土地と、その上に建っている相続税評価額5,000万円の建物があった場合、借地権割合が40%、借家権割合が30%の地域だとすると、
1億円→1億円×(1-40%×30%)=8,800万円(△1,200万円)
5,000万円→5,000万円×(1-30%)=3,500万円(△1,500万円)
というように評価額が下がります。

他人が住むことによって、その不動産が自由に使えなくなるワケですから、その分、価値が下がり、評価も下がる、というワケです。

借地借家法がありますから、住んでいる方にそう簡単に出て行ってもらうことはできません。

従業員社宅も安くなる?

会社が従業員のための住宅を建設し、そこに社員が住んでいる、つまり「従業員社宅」の場合にも、同じように評価額が下がるのでしょうか?

実は、社宅については、一般のアパートなどの貸家とは大きく異なる点があります。

社宅の家賃については、安くしてもいいよ、という税法上の規定があるのです。

あまり安く貸してしまうと、それだけ従業員が得した、会社が利益を与えた、ということで、その経済的利益に対して給与課税(源泉所得税課税)がされてしまうのですが、「ここまでだったら安くかしてもいいよ」というラインが定められています。

想う相続税理士秘書

参考 No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき国税庁

つまり、通常の相場よりも安く従業員が住むことができるのです。

なぜ社宅に安く住めるのか?

なぜ社宅は通常の相場よりも安く貸すかというと、それは住む人が自社の従業員だからです。

自社で働いてもらってる代わりに、会社も安く貸すワケです。

その社宅の賃貸によって、会社がお金を儲けようとしてるワケではなく、福利厚生の一環として、その社宅を運営しているのが通常の形態かと思います。

つまり、一般的な貸家ではないことから、従業員社宅の敷地については、貸家建付地評価はできない、ということになっています。

想う相続税理士

会社が大家として家賃をとって社員が住んでいる、これはアパートと同じだ、と考えると、評価を間違ってしまいますので、ご注意を。