別相談員の元にも「無料相談行きまくり」な方がおられた模様。税務署にも何度も行ってるらしい。相続税申告を自力で作成されたい感じ。チラッとお話聞いたら、「きちんと頼んだ方がいいのに」という内容だった。時間だけが経過して、何も進んでいない現状…
— 西田友博@税理士in鹿児島 (@tnishida3) August 8, 2021
相続税専門税理士の富山です。
今回は、相続税の申告を安く済ませる方法について、お話します。
自分でやればタダ
相続税の申告を税理士に依頼すると、税理士報酬が発生しますが、自分でやればお金がかかりません。
しかし、本当に自分で全部できるのかどうか、というところがポイントです。
「自分には時間があるからできる」とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。
でも、時間をかければできるのかどうか、というところがポイントです。
税務署に行ってやってもらえばタダ?
相続税の申告が必要だと感じた場合に、税務署に行く方も結構いらっしゃいます。
確定申告(所得税)の感覚で税務署に足を運ばれるのだと思います。
しかし、相続税と所得税では、その世界が全く異なります。
所得税の場合、給与や年金の源泉徴収票と医療費の領収書などを持参して、というパターンが多いかと思いますが、給与の源泉徴収票を持参される場合、通常、年末調整により税金計算が完結しています。
給与の源泉徴収票には、生命保険料控除や扶養控除などが加味された内容が記載されているので、税務署での後工程(他の控除などを含めた税額の再計算)はラクなのでやってもらえます。
相続税の申告はそんな簡単ではありません。
冒頭のツイッターにも「税務署にも何度も行ってるらしい」とありますが、同じような方の話を聞いたことがあります。
当然ですが、税務署で全部やってもらえるというワケではないようです。
相続税は「申告納税方式」の税金です。
納税者が自分で計算する税金です。
固定資産税などのように、税額を計算してもらえる「賦課課税方式」の税金ではありません。
ですから、税務署に行くのは、「申告書を作ってもらう」のではなく、分からないところを「相談しに行く」というスタンスになります。
自分で計算したものを見てもらう(見てもらえるのも、内容というよりは、形式的な部分だけだとは思いますが)、というのを何度も足を運んで繰り返すようです。
しかし、相続税の申告内容に、税務署がどこまで関わるか、立ち入るか、というところが疑問です。
例えば、相続税は、その財産を誰が取得するかによって、税額が変わります。
取得者を要件とする特例があるからです。
その特例は適用できるのか?
納税者の方の話だけを聞いて判断するのは、税務署にもリスクがあります。
明言は避けるでしょう。
一般的な話はしてもらえるかもしれませんが、最終的に判断するのは納税者の方です。
税務署も、ヘンに納税者の方の判断を誘導するワケにはいきませんから、対応が難しいでしょう。
また、税務署に相談して相続税の申告書を作ったからといって、相続税の税務調査がないというワケではありませんので、ご注意を。
相続税の申告をタダで済ませることは本当にトク?
相続税の申告書を作成するお金がゼロで済んだとしても、それよって税金が高くなってしまったら、それはトクと言えるのでしょうか?
トータルで考える必要があると思います。
また、金額的に安く済ませられたと思えたとしても(「なんか、思ったより相続税が高いんだけど、税理士報酬がかからなかったから、その分トクしているだろうから、これでいいや」と申告したような場合)、申告内容が間違っている場合にはリスクを先送りしているだけに過ぎません。
想う相続税理士秘書
想う相続税理士
すべての財産評価や計算をチェックして、相続税が安くなる(払い過ぎない)内容に修正してもらえるワケではないからです。
税務署にとって問題となるところを指摘するために、その内容を確認するために、やってきます。