相続税シミュレーションのご説明完了。家族状況などヒアリングした結果、節税より遺産分割を優先し、その結果払うべき相続税は払ってしまった方がいいと進言。税理士らしくないけど、相続人の生活や財産管理をどうするのかが優先と判断。
税理士として、張り切って節税優先したらタメにならないケース— 西田友博@税理士in鹿児島 (@tnishida3) May 13, 2021
相続税専門税理士の富山です。
今回は、二次相続まで含めた、相続税と遺産分けの関係について、お話します。
相続税が安くなればそれで万事オッケーか?
相続税の申告をしなければならない、ということが分かった場合、多くの方が、まず、相続税を安くすることを考えます。
遺産分けの仕方により、相続税の金額は大きく変わりますが、遺産分けに正解はありません。
正解がないのであれば、とりあえず、相続税が安くなるように遺産分けをしておこう、それなら、失敗しても、あまり後悔しないだろう、という論理が働くこともあります。
一次相続の後には二次相続がやってくる
例えば、夫が亡くなり妻が残された場合(一次相続)、その妻が財産を多く相続すれば、一次相続の相続税は安くなります。
ところが、下記の記事にも書きましたが、妻が財産を多く相続すると、一次相続・二次相続のトータルでは相続税が高くなるリスクがあります。
また、配偶者の方がご高齢の場合には、財産を処分するタイミングを逃すリスクも生じます。
ご高齢の相続人がいる場合に注意すべき点は?二次相続は一次相続と全く様相が異なる遺産分けになる
二次相続で留意すべきリスクは、相続税(一次相続で配偶者に財産を多く逃がすと、その分、相続税が高くなる)だけではありません。
遺産分けです。
「親がいる相続といない相続では、遺産分けの話し合いに大きな差が生まれる」のです。
二次相続の時には、両親がどちらも他界しているということになります。
「親の目が黒いうち」であれば、相続人もお互い自制するので、遺産分けもまとまりやすいのですが(一次相続)、親がどちらもいなくなると(二次相続)、(一般的には)子供だけで遺産分けを決めることになります。
一次相続の時の遺産分けや、両親からの生前における贈与について、不満が噴出したりします。
つまり、二次相続の方がまとまりにくいのです。
二次相続で相続税が出るかどうかは、関係ありません。
相続税が出るかどうかと、モメるかどうかは、全く別の話です。
想う相続税理士