【毎日更新】相続税専門税理士ブログ

知らないと損する相続における生命保険の絶大なパワー

相続税専門税理士の富山です。

今回は、相続における生命保険の活用について、お話ししたいと思います。


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残された遺族の生活保障の意味合いがあるから税金が優遇されている!

亡くなった方がご自分(亡くなった方)にかけていた生命保険の保険金は、相続税の課税対象となります。

しかし、
500万円×法定相続人の数
の非課税枠が設けられていますので、例えば法定相続人が3人の場合、
500万円×3人=1,500万円
が非課税となるため、1,50万円の生命保険金が下りたとしても、相続税が全くかかりません。

「払込保険料」「いざという時に受け取ることができる保険金」が同額なら、入っても意味ないんじゃないか、全然得しないんじゃないか、と思われるかもしれませんが、1,500万円の定期預金を崩して、保険金1,500万円の生命保険に入れば、定期預金のままだったら課税されていたはずの相続税がかからなくなります。

結果的に、相続税を支払った後の相続人の財産の手取り額が増えます。

ただし、次の点に注意が必要です。

現金も大事

生命保険が有利だからといって、現預金がカツカツになってしまうまで保険に入るのは、老後の生活に何があるか分からないことを考えると危険です。

ある程度の貯蓄は残しておくようにしましょう。

もう入れないかも

生命保険は、いつでも入れるワケではありません。

機会を逃さず、思い立ったら早めに入りましょう。

保険金で相続税を支払えるからラク!

相続税の申告においては、相続税の金額を下げる(節税する)ということも重要ですが、その相続税を払うお金を用意する、ということも、それ以上に重要となります。

財産を相続しても、その財産が換金しづらいものである場合には、別途、納税資金の工面を検討する必要があります。

例えば、不動産については、売ろうとしてもなかなかすぐには売れませんし、自宅の場合、売ってしまったら、住むところが無くなってしまいます。

このような、処分できない(しづらい)財産を相続させる場合には、合わせて生命保険金を受け取れるようにしてあげると、喜ばれます。

勝手に受け取ることができちゃいます!

生命保険金は、遺産分割の対象外です。

契約により受取人に指定されていれば、保険金を受け取ることができます。

それだけでも大変素晴らしいことなのですが、冒頭の日経新聞の記事にもあるとおり、「代償分割金の原資」として使うことができます。

実は、相続人が払う(お金が出る)のは、相続税だけではありません。

遺産分けのバランスを調整するために、他の相続人に相続の枠内でお金を払うことができるのです。

そのお金を「代償分割金」といいます。

生命保険金を代償分割金に充てても非課税枠のメリットは享受できる!

5,000万円の不動産を相続し、1,500万円の生命保険金(法定相続人が3人でちょうど全額非課税)を取得した長男が、その生命保険金を元手に、次男に1,500万円の代償分割金を支払ったとします。

この場合、長男が実質的に相続する財産は、5,000万円の不動産だけです。

しかし、相続税の計算上は、1,500万円の生命保険金を受け取り(ここで全額非課税)、1,500万円の代償分割金を支払っていますので、
不動産5,000万円+生命保険金1,500万円△非課税1,500万円△代償分割金1,500万円=3,500万円
となり、3,500万円に対して相続税が計算されます。

想う相続税理士

つまり、最終的に次男の方に行くお金が同じだったとしても、長男が一度、生命保険金として受け取ることにより、長男がその非課税枠を使うことができるので、生命保険金を代償分割金として他の相続人に支払うことになったとしても、非課税枠が使えて税負担が下がる、ということになります。