「名義株」って何?
「名義株」とは、「数合わせのために他の人の名義を借りて出資した株式」です。
旧商法の時代は、株式会社を設立する際、発起人=株主が7人以上必要でした。
7人確保するのは大変で、足りなければ、「名前を貸してね。株主になって欲しいんだ。お金はこっちで出すから。」と言って、形式的にだけ株主になってもらうんです。
「名義株」の怖さ
このような場合、お金も出していない訳ですから、その名義株の形式的な持ち主は、株主として会社の経営に口出しをしたりは通常しません。
その持ち主がお亡くなりになったとします。
そうすると、その持ち主の相続人が、その株式を相続することになります。
相続人に、「この株式は、実は名前だけあなたのお父さんに借りていたもので…。」という話をしても、その相続人が、会社の業績が良いのが分かると、「この株式は、結構価値があるな。」と気付き、「いや、そのようなことは父から聞いていません。父の名義になっているんですから、父の財産です。もし経営に口出しをされたくなければ、この株式を今の適正な時価で買い取ってください。」なんて話になってしまうのです。
「名義株」への対応策
その持ち主ときちんと話し合いをし、確認書を作成し、「真の」所有者に名義を変えます。
ゴネられたら、実際にこちらがお金を出した証拠を見せて、納得してもらいます。
持ち主が亡くなっている場合には、その相続人との話し合いです。
所有の事実関係を明確にして相続人の方々に相続税がかからないようにしたい、という気持ちを伝えましょう。
簡単には売れないものなのに、税金計算上の評価額が高く、相続税・贈与税の負担が大きいのが同族株式の特徴です。
後継者には迷惑なものでしかない!
後継者は、ただでさえ、事業承継に不安を抱えているのに、「名義株」なんかがあったら、もっと不安になってしまいます。
出来るだけ早く解決しましょう!
遅くなればなるほど、解決が難しくなりますからね!