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相続財産に手を付けなければ相続税の申告をしなくていいんですか?

【今回の相談】

相続財産に手を付けなければ相続税の申告をしなくていいんですか?


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「トク」したら申告する?

想う相続税理士

仮にあなたが土地Aと土地Bを持っていて、その土地A・土地Bを売却して儲けが出た場合(「トク」した場合)には、(その譲渡所得について)確定申告しなければなりません。

でも、その確定申告を「いつするか」というと、契約効力発生や引渡があった年の翌年3月15日までです。

土地Aは売ったけれども、土地Bは売っていない、ということであれば、土地Aの分だけ確定申告すればいいのです。

トクしたら申告する、ということですね。

それに対して、相続税の場合はどうでしょうか?

仮に相続財産の中に、土地Aと土地Bがあった場合、その土地A・土地Bの相続税の申告はいつするのでしょうか?

自分のモノにならないと、「トク」したことになりませんから、相続登記による名義変更により、土地を自分の名義にした時を基準に申告するのでしょうか?

相続財産に手を付けたかどうかは、申告が必要かどうかとは関係ない

相続税の申告は、名義変更などの手続きとは全く関係なく、亡くなった日から10ヶ月以内にしなければなりません。

この場合、亡くなった日時点にあったすべての相続財産が申告の対象です。

手を付けていない財産についても、当然、申告の対象となります。

手を付けていないどころか、あるのが分からなかった財産でさえ、申告の対象です。

想う相続税理士

相続税を払えるの?

想う相続税理士

手を付けていない、ということは、亡くなった方の名義のままになっている財産、ということです。

亡くなった方の名義のままになっていると、その財産は、売ったり、解約したりすることができません。

それでも、相続税の申告をし、相続税を納めなければなりません。

土地を売った場合には、通常、売却代金が即日、または、近日中に入金されますので、その売却代金の中から所得税を払えます。

しかし、相続税の場合には、手元に財産が来ていなくても、相続税を払わなければならないのです。

円滑な遺産分けがカギ

相続財産の名義変更をするためには、遺言がある場合を除き、相続人間で遺産分けの話し合いをし、どう財産を分けるか決めなければなりません。

相続人の方が1人でも反対すれば、遺産分けはできません。

手許資金が少ないため、相続財産を解約したり、売却したりして、相続税の納税資金を準備したい場合には、相続税の申告前に遺産分けの内容を確定し、名義変更する必要があるのです。

想う相続税理士

そのためには早めに税理士に相談を

想う相続税理士

そのためには、遺産分けを早くすればいいのですが、その遺産分けの話し合いのためには、「どんな財産がどれだけあるのか?」「相続税がどれくらいかかるのか?」という、言わば、「話し合いの土台」がないとできません。

ですから、相続があった場合には、できるだけ早く、税理士に相談し、財産目録(財産の一覧)を作成してもらったり、相続税の試算をしてもらいながら、状況に応じたアドバイスを受け、まずは「話し合いの土台」を用意しましょう